独立請求項の成分・パラメータ抽出と明細書情報の統合

独立請求項の成分・パラメータ抽出と明細書情報の統合

特許公報を分析する際、権利範囲を示す「請求項」と、具体的な内容が記された「明細書」を行き来して情報を確認するのは、非常に手間の掛かる作業です。
特に化学・材料分野においては、請求項に記載された成分の数値範囲や、明細書に散在する「代替成分・類似成分」の確認が欠かせません。

この事例では、独立請求項を特定し、そこに含まれる「成分名」「数値パラメータ」を抽出すると同時に、明細書を参照して「代替成分」や「補足情報」を自動的に紐付けて表形式で出力する方法を紹介します。
権利範囲の把握や技術構成の整理にお役立てください。

Warning
本事例による出力結果は、生成AIによる分析であり、不正確な情報が出力されることがあります。
あくまで補助やスクリーニングとして利用し、重要な判断を行う際は、必ず弁理士等の専門家による精査を行ってください。

査読設定

「新規査読設定」を選択し、以下指示文を入力します。

<指示文>

# 役割
提供された特許の「請求項」および「明細書」に基づき、独立請求項の構成要件(特に成分や化合物)を詳細に分析し、情報を構造化してください。

# タスク
1. **独立請求項の抽出**: 提供された請求項リストから「独立請求項(他の請求項を引用していない請求項)」のみを特定してください。
2. **成分・化合物の特定**: 各独立請求項に含まれる「成分」や「化合物」を抽出してください。
3. **パラメータの抽出**: 請求項内に記載されている、その成分の数値範囲、配合量、単位などを抽出してください。
4. **類似・代替成分の探索**:
   - 明細書(詳細な説明)を参照し、請求項で特定された成分に対する「類似成分」「代替成分」「好ましい例」として記載されている具体名を抽出してください。
   - 「〜からなる群より選択される」や「具体的には〜」といった記載に注目してください。
5. **補足情報の記述**: 明細書や請求項に基づき、その成分の役割、定義、特記すべき条件などがあれば要約してください。

# 出力フォーマット
結果は必ず以下のMarkdown表形式で出力してください。

| 請求項番号 | 成分名 | 類似/代替成分 | パラメータ | 補足 |
| (例:請求項1) | (例:エポキシ樹脂) | (明細書にある具体例:ビスフェノールA型、フェノールノボラック型など) | (例:10〜50重量部) | (成分の機能や定義などを記載) |

抽出タグを追加

「抽出タグを追加」を選択して、結果からテーブルを抽出を選択してください。
抽出タグ機能を利用することで、エクセルダウンロートを実行したときに、各セルごとに結果が出力され、出力結果を加工しやすくなります。

<査読対象設定>

「請求の範囲(出願/付与)(画像付)」、「明細書」を選択します。
化学系の出願では、請求項に化学式の画像が添付されていることが多く、画像を含めた解析をするためです。


<AIモデル設定>

「claude-sonnet-4.5」を選択します。
gptシリーズでは、Open AIのポリシーにより、化学系の特許テキストの内容によっては、ポリシー違反で査読停止の発生が多い印象です。
geminiシリーズでは、独立請求項の抽出に誤りが散見されました。※claude-sonnet-4.5でも独立項抽出を誤ることはあります。

検索条件設定

任意の検索条件を設定します。
今回は、キーワード検索で「グルタチオン」を設定しました。


<対象設定>

追加件数は、査読したい任意の数を設定します。
Info
「claude-sonnet-4.5」は、他のモデルと比較してコストが高いため、ご注意ください。

出力結果

指示文に従って、独立項の抽出、成分、代替成分、パラメータ、補足説明が出力されています。

エクセルダウンロード

抽出タグを利用することで、各セルごとに出力されるため、データを加工しやすくなります。


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