請求項の対比表作成(構成要素ごとの記載箇所特定)

請求項の対比表作成(構成要素ごとの記載箇所特定)

特許の出願前調査・審査請求前の調査において、請求項(クレーム)案と先行文献を対比し、構成要件の充足性を確認する作業を効率化するための事例です。
AIセマンティック検索の検索結果を利用して、類似上位10件の先行文献の「どの段落」に、構成要素が記載されているか、あるいは「記載がない」かを判定し、対比表形式で出力させることができます。

Warning
本事例による出力結果は、生成AIによる分析であり、不正確な情報が出力されることがあります。
あくまで補助やスクリーニングとして利用し、重要な判断を行う際は、必ず弁理士等の専門家による精査を行ってください。

事例で使用する請求項案

変数(xiα,viα)に応じた等式制約が付与された評価関数(H({xiα,viα}))が極値に近接した条件を満たす前記変数または前記評価関数の最適値を導出する最適化問題に係る最適化プログラムであって、
前記評価関数にラグランジュ定数(λ)を用いて等式制約付きのラグランジュ未定乗数法を適用するときに前記等式制約の変数(xiα,viα)と独立的に分離した前記評価関数の変数(piα,qiα)を用意し、前記評価関数の変数と前記等式制約の変数とを一致させる追加等式制約を用いて処理するプログラムであり、
最適化装置(1)に、
前記評価関数が極値に近くなる条件を探索しながら等式制約に徐々に近づくように評価関数の変数を更新する手順と、
前記等式制約を満足したまま前記評価関数が極値に近くなる条件に徐々に近づくように等式制約の変数を更新する手順と、
を交互に繰り返し実行させる連続値最適化問題の非線形最適化プログラム。


分析設定

「新規分析設定(β版)」を選択し、以下指示文を入力します。
発明内容には、発明届出書等で記載されている内容を入力します。

<指示文>

# 命令
以下の【入力情報】に基づき、指定された【実行ステップ】に従って、【出力形式】で対比表を作成してください。

# 【入力情報】
## 発明内容:
1. 技術分野
連続値最適化問題の非線形最適化プログラム特に、自動車の自動運転や運転支援装置において、移動体の最適な経路(位置や速度)をリアルタイムで導き出す「経路探索」の分野で利用される。
2. 背景
近年、自動運転や運転支援のために、車両の「位置」と「速度」を関数として扱い、最も効率的で安全な経路を計算(最適化)する技術が開発されています。従来技術でも、評価関数(スコア)と制約条件を分けて交互に更新する手法は存在していた。
3. 課題
自動運転のようなリアルタイム処理では、計算時間の制約から、最適化計算の途中で処理を打ち切って答えを出さなければならない場合がある。しかし、以下の問題がある。
非現実的な解の出力: 従来の計算方法では、計算途中の段階では物理的な「等式制約(例:速度が出れば位置が進むという物理法則)」が満たされていないことがあり、そのまま出力すると「ワープする」ような物理的にあり得ない経路(非現実的な解)になってしまう。
計算速度: 位置と速度の変化を同時に最適化しようとすると、計算が複雑になり、答えが出るまでに時間がかかりすぎる。
4. 解決方法
この発明では、「変数の分離」と「交互更新」という手法を用いる。
変数の分離: 本来の変数(位置$x$、速度$v$:等式制約用)とは別に、評価関数計算専用の「影武者変数($p$、$q$)」を用意し、両者が一致するように新たな制約(追加等式制約)を設ける。
交互更新: 以下の2つの手順を繰り返す。
手順A: 評価関数(スコア)が良くなるように、「影武者変数($p$、$q$)」を更新する。
手順B: 手順Aの結果に近づけつつ、「物理的な等式制約を完全に守った状態で」本来の変数($x$、$v$)を更新する。
5. 効果
常に安全な解を出力: 手順Bにおいて常に等式制約(物理法則)を満たすように変数を更新しているため、計算途中で時間がなくなり処理を打ち切っても、出力される経路は物理的に走行可能なもの(現実的な解)であることが保証される。
高速処理: 複雑な問題を2つの手順に分けることで、全体の計算を高速化できる。

**対象特許の構成要素リスト:
* 構成要素A: 変数(xiα,viα)に応じた等式制約が付与された評価関数(H({xiα,viα}))が極値に近接した条件を満たす前記変数または前記評価関数の最適値を導出する最適化問題に係る最適化プログラムであって、
* 構成要素B: 前記評価関数にラグランジュ定数(λ)を用いて等式制約付きのラグランジュ未定乗数法を適用するときに前記等式制約の変数(xiα,viα)と独立的に分離した前記評価関数の変数(piα,qiα)を用意し、前記評価関数の変数と前記等式制約の変数とを一致させる追加等式制約を用いて処理するプログラムであり、
* 構成要素C: 最適化装置(1)に、前記評価関数が極値に近くなる条件を探索しながら等式制約に徐々に近づくように評価関数の変数を更新する手順と、最適化装置(1)に、前記等式制約を満足したまま前記評価関数が極値に近くなる条件に徐々に近づくように等式制約の変数を更新する手順と、を交互に繰り返し実行させる連続値最適化問題の非線形最適化プログラム。

# 【実行ステップ】
1.  【入力情報】の「構成要素リスト」にある各構成要素を、対比表の「行」としてください。
2.  与えられた【先行文献リスト】の各文献(先行文献1, 先行文献2, ...)を「列」とします。
3.  各構成要素が、各先行文献の明細書本文に**同一または実質的に同一**の態様で記載されているか否かを判断してください。各構成要素の内容については、発明内容の説明を参照して理解を深めてください。
4.  判断結果を以下のルールでセルに記入してください。
    * 記載がある場合: その構成要素が開示されていると判断できる、最も明確な**段落番号**(例:[0025])を記載してください。複数該当する場合は、主要なものをカンマ区切りで記載しても構いません。(例:〇 [0025], [0030])
    * 記載がない場合: 「記載なし」または「×」と明確に記載してください。

# 【出力形式】(マークダウン形式)
| 構成要素 | 先行文献1 ([出願番号]) | 先行文献2 ([出願番号]) |
| [構成要素A] | [判断結果 + 段落番号 or ×] | [判断結果 + 段落番号 or ×] |
| [構成要素B] | [判断結果 + 段落番号 or ×] | [判断結果 + 段落番号 or ×] |
| [構成要素C] | [判断結果 + 段落番号 or ×] | [判断結果 + 段落番号 or ×] |

出力形式

「表形式」を選択してください。
表形式を選択することで、対比表が出力されます。


<分析対象設定>

「明細書」と、書誌事項の「出願番号」を選択します。
先行文献の明細書と構成要素を対比するためです。

<AIモデル設定>

「gemini-2.5-pro」を選択します。
今回は、10件の先行文献の明細書全文を生成AIに読み込ませる必要があり、geminiシリーズは、最大入力トークン数(入力文字数)が多いためです。

検索条件設定

先行文献となる母集団作成には、今回はAIセマンティック検索(類似文書検索)を利用します。手軽かつ簡単に類似特許を検索できるためです。
メインクエリに、指示文で入力した「発明内容」をコピーして入力します。

<対象設定>

追加件数は、「10」にします。
追加件数は、検索結果の上位10件に対して処理を実行することを意味します。

出力結果

指示文で入力したとおり、各構成要素と、類似文書検索の検索結果上位10件の先行文献との対比表が作成して、出力されました。

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